リースバック契約後に家賃が値上げ!よくあるケースと対処法

そもそもリースバックとは?
家を売っても住み続けられる方法
リースバックは、自宅を売却してもそのまま住み続けられる方法として注目されています。まとまった資金が必要なときや、住宅ローンの返済に悩んでいるときに、有力な選択肢となり得ます。ただし、リースバック後は家賃が発生し、将来的に家賃の値上げが起こる可能性があることも理解しておく必要があります。
リースバックの仕組みをやさしく解説
リースバックでは、自宅を不動産会社などの事業者に売却し、その売却と同時に賃貸契約を結びます。つまり、家の所有者が変わる一方で、自分は借り主として引き続き同じ家に住み続けることができるのです。売却時には現金を一括で受け取れるため、生活費や老後資金、借金返済などにあてることも可能です。
リースバックのメリット・注意点・進め方
メリット
リースバックの大きなメリットは、主に3つあります。
・住み慣れた家にそのまま住むことができる
・固定資産税の支払いや建物の修繕などの負担がなくなる
・まとまった資金が手にはいる
住み慣れた環境を変えることなく住み続けられ、資金を得られるので、高齢の方や住宅ローンの返済にお困りのご家族にとっては有力な選択肢です。
知っておきたい注意点
一方で注意すべきなのは、主に以下の4つです。
・売却後は毎月の家賃を支払う必要がある
・契約期間が満了した後は住み続けられない可能性がある
・売却額が通常より安くなる可能性がある
・家賃を将来的に値上げされるケースがある
実際に、リースバック後に家賃を値上げされた相談は増加傾向にあります。特に契約内容によっては、想定外の家賃値上げに悩む人もいます。
リースバックは便利な制度ですが、家賃の負担や値上げリスクを含めて冷静に検討することが大切です。
家賃が値上げされるケースとは
リースバック後に、家賃が値上げされる可能性は決して珍しくありません。契約時には一定の家賃で安心して住み続けられると思っていても、再契約や経済情勢の変化によって、想定外の負担が発生することがあります。
契約更新時の家賃見直しが原因になることも
リースバックでは、多くの場合「定期借家契約」が使われます。この契約には、契約期間が終了した後に再契約するかどうか、再契約時に家賃を変更できるかどうかが含まれています。たとえ契約時に「家賃はそのまま」と説明を受けていたとしても、再契約時に家賃の値上げが提示されるケースはよくあります。そのため、最初の契約内容だけで安心せず、更新時の条件も事前に確認しておくことが大切です。
市場家賃や経済変動による影響も
リースバック契約の中には、初回の契約期間が終了したあとは「市場家賃に合わせて再設定される」と定められている場合があります。周辺の家賃相場が上がっていれば、それに合わせてリースバックの家賃も値上げされることになります。また、物価や固定資産税が上昇すると、それを理由に管理費や維持費が含まれる家賃が見直されることもあります。
所有者の変更に伴う方針転換も注意点
リースバック物件の所有者が変更される「オーナーチェンジ」が起きた際、新しい所有者の意向で家賃の値上げが行われることがあります。さらに、契約更新を断られたり、契約条件を一方的に変更されるといったトラブルが発生することもあります。リースバック後の家賃の値上げは、こうした所有者変更のタイミングでも起こり得ます。
家賃値上げの対処法と予防策

リースバックを選んだ後に家賃の値上げがあっても、慌てず冷静に対応することが大切です。契約前にリースバック後の家賃値上げの心配を軽くするためには、「契約前の予防」と「契約後の対応」の両方がカギになります。
契約前の予防
「家賃の上限」や「家賃の固定期間」の明記
リースバック契約を結ぶ前に、家賃の上限や固定期間が明記されているかを確認することが非常に重要です。口頭で「家賃は上がりません」と言われても、書面に記載がなければ効力はありません。「家賃は何年間据え置きか」「最大でいくらまで上がる可能性があるか」を、契約書の中で具体的に確認しましょう。
複数のリースバック業者に相談して見積もりを取る
家計の見直しも備えのひとつ
リースバックでの家賃の値上げが将来あったとしても、事前に家計を見直しておくことで慌てずに対応できます。毎月の支出と収入を確認し、無理のない範囲で生活できているかを定期的にチェックすることが、家計管理の第一歩になります。
専門家のサポートを活用して安心な契約を
リースバック後家賃が値上げする不安を少しでも軽くするには、契約内容を第三者と一緒に確認することが効果的です。不動産に詳しい人に相談したり、法律の専門家の意見を聞くことにより自分の納得のいく契約を選ぶことができます。
ポイント(契約時)
・家賃が値上げされる可能性があることを理解しておくこと
・契約時に「家賃の上限があるか」「再契約時の条件が明確か」を必ず確認しておくこと
・信頼できる事業者とじっくり相談する
・値上げを見越して家計を見直しておく
・契約内容を不動産や法律の専門家と一緒に確認
すでに家賃が値上げされた場合の対応方法
家賃値上げの通知が来た場合の対処法
リースバック契約後に家賃の値上げ通知が届いても、必ずしも応じる必要はありません。値上げの根拠が不明確な場合は、まず貸主にその理由をしっかり説明してもらいましょう。市場家賃の上昇や税金の変動など、納得できる理由があるかを確認することが大切です。
それでも合意できないときは、家賃の交渉を行うことが可能です。話し合いで解決できなければ、値上げを拒否する選択肢もあります。ただし、契約が「定期借家契約」である場合は、再契約時に条件が変更されることもあるため、契約満了時の対応も視野に入れておきましょう。
まずは契約内容の再確認が最優先
リースバック契約後に家賃の値上げがあった場合でも、すぐにあきらめる必要はありません。まずは契約書の内容を丁寧に確認することで、冷静に対応する道が開けます。
契約書には、「家賃の固定期間」や「値上げの条件」が記載されていることがあります。リースバック後の家賃の値上げに関する取り決めが書面に明記されていなければ、貸主の一方的な家賃変更には正当性がないこともあります。過去に口頭で「家賃は変わらない」と説明された場合でも、書面に残っていない内容は法的に証明が難しいため、書類での確認が何より大切です。
値上げに納得できない場合の相談先
家賃の値上げに納得できないときは、一人で抱え込まず、専門機関に相談することが解決への第一歩です。以下の順番で相談することを考えましょう。
1.リースバックを提供する会社や物件管理会社
まずは、値上げの理由や根拠を尋ねましょう。
2.地域の消費生活センター
3.自治体の無料法律相談、あるいは不動産に詳しい弁護士や宅地建物取引士
万が一、話し合いが進まずトラブルが大きくなるようであれば、裁判所での調停や訴訟という手段もあります。冷静な姿勢を保ちつつ、正当な手続きを通じて問題解決を目指しましょう。
支払いが難しい場合の現実的な選択肢
リースバック契約後の家賃の値上げによって、生活が厳しくなる場合は、無理をせず早めに対策を考えることが大切です。家計を一度見直し、今後の支払いが続けられるか検討してみましょう。
もし家賃が家計にとって大きな負担になる場合は
・他の賃貸物件への引っ越しや住み替え
・リースバック契約によっては、再売却や買い戻し制度を利用できるケースもある(契約内容を改めて確認する価値があり)。
・自治体による家賃補助制度や生活福祉資金貸付制度など(高齢者や低所得者の方には経済的な支援策も用意されている)。
ポイント(値上げ後)
・契約内容の再確認
・貸主への説明要求
・専門機関への相談
・支払いが難しい場合、引っ越しや買い戻し、自治体からの援助
※買い戻しとは…リースバック契約後に、あらかじめ「買戻し特約」や「再売買予約」をし、定められた期間内に決められた条件で家を買い戻すことです。特約がない場合でも、所有者との交渉によって買戻しが認められることもあります。将来、再び家を自分のものにしたいと考えている場合は、事前の確認と取り決めが大切です。
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おわりに。。。
リースバックを選ぼうとしているものの、「このまま進めて本当に大丈夫だろうか」と迷いや不安を感じている方も多いかと思います。たしかに、住み慣れた家に住み続けながら資金を得られるリースバックは魅力的な選択肢ですが、契約後に家賃が値上げされ生活が苦しくなるケースも考えられます。その際は焦らず慎重に、正しい情報と落ち着いた対応で乗り越えることができます。
言われた通りに受け入れる前に、一度立ち止まり専門家の力を借りながら対策を考えましょう。あきらめずに行動すれば解決策が見つかることもあります。自分にとって納得できる選択を見つけてください。
ありがとうございました。