高齢者の免疫力アップに!がん予防にもなる簡単スープレシピ5選

「命の野菜スープ」をご存じですか。
わたしは、このスープを作るとき、「もし、がんで亡くなった母に、このスープを飲ませてあげられていたら…」と、ふと思うことがあります。
いまさら考えてもどうにもならないことですが、そんな思いを込めて、今は家族のために作っています。
スープは、高齢者の免疫力を高めながら、がん予防にもつながる理想的な食べ方です。
なぜスープが免疫力アップとがん予防にいいのか?
抗酸化成分が細胞を守り、がんを遠ざける
野菜に含まれるビタミンC・E、βカロテン、ポリフェノールなどは、活性酸素を除去する「抗酸化物質」として知られています。
活性酸素は細胞を傷つけ、老化やがんの原因になると考えられていますが、これらの栄養素が体内で働くことで、細胞のダメージを抑え、がんの予防につながるのです。
特に、ブロッコリーや小松菜、かぼちゃなど色の濃い野菜には、強力な抗酸化力があります。
温かいスープが体温を上げて免疫細胞を活性化
体温が1℃上がると免疫力が大きく高まるといわれています。
スープのような温かい食べ物を摂ることで血流が良くなり、白血球などの免疫細胞が活発に働ける状態になります。
寒さに弱い高齢者には、身体を芯から温めるスープが特に効果的です。
栄養が吸収されやすく、毎日続けやすい
生の野菜では吸収しにくい栄養素も、スープにすれば体に取り込みやすくなります。
加熱によって細胞壁が壊れ、栄養素が溶け出しやすくなるからです。
また、スープは具材と一緒に汁も飲むため、水に溶けやすいビタミンやミネラルも無駄なく摂取できます。
油と一緒に調理すれば、脂に溶ける栄養素(βカロテン、リコピンなど)の吸収もアップします。
高齢者のための簡単スープレシピ5選
日々の食事に「免疫力アップ」と「抗酸化作用」のあるスープを取り入れるのがおすすめです。
ここでは、ファイトケミカル(植物由来の健康成分)を含むスープを5つ紹介します。
すべて簡単に作れるレシピで、高齢者でも食べやすく、毎日続けやすい内容となっています。
1. ハーバード大学式「命の野菜スープ」
野菜の皮ごと煮込んで、ファイトケミカルを丸ごと摂る!

※ハーバード大学式「命の野菜スープ」とは:
米国ハーバード大学で免疫栄養学の研究を重ねた麻布医院・高橋弘医師が考案したスープ。
4種の野菜を皮も活用し、ファイトケミカルを抽出することで、免疫力アップや抗酸化作用が期待できる。
がん予防にも効果的とされ、話題となった。現在も多くの人が健康維持のために取り入れている。
👆野菜だけでこんなにきれいな色が出ます。
【材料(4人分)】
- キャベツ:100g
- にんじん:100g
- 玉ねぎ:100g
- かぼちゃ:100g
- 水:1L
【作り方】
- 野菜は皮をむかずに一口大に切る(皮は水でよく洗う)
- 鍋に野菜と水を入れ、ふたをして強火で加熱
- 沸騰したら弱火にして20分煮込む
- 塩は使わずそのままでもOK(味変にカレー粉や味噌もおすすめ)

【栄養と効果】
キャベツに含まれるイソチオシアネート、にんじん・かぼちゃのβカロテン、玉ねぎのケルセチンなど、強力な抗酸化成分がスープに溶け出す。
これらの栄養素が細胞の老化を防ぎ、免疫細胞を活性化し、がん・生活習慣病の予防に効果を発揮。

※玉ねぎの皮はだしこし袋に入れて鍋で一緒に煮込みます。
今回はだしこし袋をきらしていたため、味噌こし器に入れて一緒に煮込みました。
2. トマトとパプリカのリコピンスープ
カラフル野菜でおいしく健康に!抗がん力も抜群の一杯

【材料】
- トマト:2個
- 赤パプリカ:1個
- 玉ねぎ:1/2個
- オリーブオイル:小さじ1
- 水:400ml
- 塩:少々
【作り方】
- 野菜を一口大に切り、オリーブオイルで軽く炒める
- 水を加えて10分ほど煮る
- 最後に塩で味を整える
【栄養と効果】
トマトのリコピンと、パプリカのカロテノイドは、非常に強い抗酸化作用を持つ。加熱+油で吸収力がアップ。
体内の酸化ストレスを軽減し、免疫機能を維持しながら、がんや動脈硬化のリスクを下げる効果あり。
3. 緑のファイトケミカルスープ(小松菜&ブロッコリー)
ビタミン・ミネラルが豊富!腸から元気になるスープ
【材料】
- 小松菜:1/2束
- ブロッコリー:1/2株
- 玉ねぎ:1/2個
- 水:400ml
- 塩:少々
【作り方】
- 野菜をざく切りにして鍋に入れ、水を加えて10分煮る
- 塩で味を調える

【栄養と効果】
小松菜やブロッコリーは、クロロフィルやルテイン、ビタミンC・Eといった抗酸化成分が豊富。
これらが免疫細胞の働きを高め、がんや感染症の予防、腸内環境の改善にも効果的。
4. ささみと豆乳のたんぱくスープ
筋力と免疫力を同時にサポート!やさしい味の満足スープ

【材料】
- 鶏ささみ:2本(筋を取る)
- 豆乳:50ml
- 命の野菜スープ:200ml(または任意の野菜スープ)
- 塩:少々
【作り方】
- ささみを一口大に切る
- 野菜スープと一緒に鍋に入れて、弱火で7分煮る
- 豆乳を加えて温め、塩で味を調整する
【栄養と効果】
ささみに含まれる良質なたんぱく質は免疫細胞の材料に。
豆乳のイソフラボンは女性のホルモンバランスもサポート。
「命の野菜スープ」と組み合わせることで、抗酸化力と免疫機能の相乗効果が得られる。
5. 塩麹トマトスープ
発酵×野菜の最強タッグ!腸も体も元気に整えるスープ
【材料】
- 命の野菜スープ:200ml
- トマトペースト:大さじ1
- 塩麹:大さじ1/2
【作り方】
- 鍋に命の野菜スープ・トマトペースト・塩麹を入れる
- 中火で5分ほど温める

【栄養と効果】
トマトのリコピンと、塩麹の乳酸菌による腸内環境の改善効果が合わさることで、
免疫細胞の活性化・抗酸化作用・がん予防・感染症対策など、幅広い健康効果が期待される。
加熱調理によってファイトケミカルやビタミンの吸収率が高まり、体を温めることで免疫細胞の働きも活発になります。
特別な道具や手間はいりません。野菜を切って鍋で煮るだけのシンプルな工程で、体が喜ぶ栄養がたっぷり詰まったスープが完成します。
高齢者がスープを毎日取り入れるための工夫
高齢者のための免疫力アップスープを毎日続けるためにはちょっとした工夫も必要です。
ここでは、高齢者がスープを無理なく、楽しく、毎日の食事に取り入れるためのポイントをご紹介します。
1. 朝・昼・夜、どのタイミングでもよい
スープは、1日のどの食事にも取り入れやすいメニューです。
- 朝食には… 温かいスープで内臓をゆっくり目覚めさせ、体を内側から温めることで、免疫力も活性化。
- 昼食や夕食には… 主菜や副菜として、野菜やたんぱく質を加えれば満足感もアップ。体調や食欲に合わせて、量や具材を調整しやすいのも魅力。
2. 作り置きや冷凍保存で手軽に続けられる
続けやすさこそが、健康維持には大事なことです。毎日負担なく取り入れるために手間を減らす工夫が必要です。
- 冷蔵保存: 2〜3日程度保存可能なレシピが多く、忙しい日や体調がすぐれない日にも便利。
- 冷凍保存: 1週間分を小分けにして冷凍しておけば、必要な分だけ電子レンジや鍋で温めるだけ。
- マグカップや小鍋で1人分ずつ温める方法も、高齢者の一人暮らしにはぴったりです。
3. 食べやすく、飲みやすくするためのひと工夫
高齢になると、噛む力や飲み込む力が弱くなることがあります。そんな方でもスープを楽しめるように、調理の工夫を加えます。
さらに、スープは水分補給にも役立ちますので、水分と栄養を同時に摂れるスープは理想的な一品です。
- 具材は小さめに切る
- やわらかく煮る
- 片栗粉などでとろみをつけると飲み込みやすい場合もある。
5. 飽きない工夫と食事の楽しみ
毎日同じ味だと飽きてしまいますが、具材や味付けを変えるだけでバリエーションが広がります。食事を楽しむことで、体は栄養をよりよく吸収しやすくなります。
- 旬の野菜や豆、魚、肉を取り入れて季節感を楽しむ
- 和風・洋風・中華風など味の変化をつける
高齢者の健康維持には「食事」と「免疫力」
加齢とともに免疫力は自然に低下する
免疫力とは、ウイルスや細菌、さらにはがん細胞から体を守る大切な機能です。
けれど年齢を重ねると、免疫細胞の働きが衰え、病気にかかりやすくなります。
肺炎やインフルエンザなどの感染症だけでなく、がんの発症リスクも高まるため、日々の生活の中で免疫力を保つ工夫が大切になります。
腸を整える食材が免疫力の鍵を握る
免疫力の約7割は腸に集中していることが分かっています。
つまり、腸内環境を整える食材を取り入れることが、体の防御力を高めるために欠かせないということです。
納豆やみそ、ヨーグルトなどの発酵食品、野菜や海藻に含まれる食物繊維、さらにはオリゴ糖を含む食材が、腸内の善玉菌を増やし、免疫機能をサポートします。
スープは手軽に栄養を摂れる最適な方法
野菜をたっぷり使ったスープは、高齢者にも取り入れやすい免疫力を高める料理です。
消化も良く、加熱することで野菜の抗酸化成分やファイトケミカル(植物由来の健康成分)が吸収されやすくなり、がん予防にも役立ちます。
高齢者の免疫力アップするスープは、汁ごと飲むことで水溶性のビタミン類も無駄なく摂れます。
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おわりに。。
一口飲むと、「ああ、命をいただいているなあ」と感じられます。
まさに“命のスープ”という名前がぴったりで、飲み続けていると体が整っていくことを実感し、このスープがやめられなくなっていきます。
味はとてもやさしいので、普段からうす味に慣れていない方は、最初は少し物足りなく感じるかもしれません。
そんな時はお塩やカレー粉、お味噌などを加えると、ぐんと飲みやすくなります。
作り方はとても簡単。材料を切って鍋に入れて煮るだけなので、どなたでもすぐに作れます。
冷蔵や冷凍もできるので、我が家ではまとめて作って小分けし、冷凍庫に常備しています。
高齢のご家族の、元気な毎日のために、免疫力アップを助けるスープ習慣をぜひ取り入れてみてください。
ありがとうございました。